リエとキコの愛のぶっちゃけマンガ対談
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2012/01/08 (Sun)
夏目友人帳 選者:キコ
選者よりひとこと「ジンときてグッとくる寂しさ」



キコ「これ、妖怪にもいろいろあるのねってとこがいいんですよ」
リエ「ふむふむ」
キコ「そういうの、日本らしいよね。悪人にもいろいろ事情があるんですという。ゾンビやドラキュラなんかの洋モノ妖怪だと100%悪で単純だけど、これは善悪の境界があいまい白黒ハッキリできない」
リエ「日本ではちょっと異質だとすぐにいじめられてしまうから、その哀しみがある。それにしても、夏目のトラウマがひどすぎじゃないですか?毎晩うなされてるんだけど(笑)」
キコ「ほんと。身内にまでいろいろ言われて」
リエ「かわいそうな身の上なのに、親戚をたらいまわしされて」
キコ「それがもう、昔ながらの日本的な設定で」
リエ「いっそ施設にでも入った方がまだマシ」
キコ「そういう夏目の境遇が古風だから、ちょっと懐かしい雰囲気がある」


リエ「登場人物がみんな似てますよね」
キコ「高校の制服姿だと見分けがつかないよ」
リエ「基本的に顔がおんなじ」
キコ「この作者、人間はヘタ。ほとんど描き分けができてない」
リエ「妖怪はゾッとするくらいあんなにうまいのに(笑)」
キコ「この人、作品も夏目以外はあんまり面白くないよ。欄外のコメント読むと、なんだかフツーの人だし」
リエ「すごい常識的な社会人ですよね。礼儀正しくて」
キコ「そうなのよ。どうでもいい感謝の挨拶がズラズラと」
リエ「そんなの、べつにここで書かなくていいのに」
キコ「また巻末の裏エピソードが、ビックリするほどつまらないの。これならコーナー自体がいらないと思う。創作の苦労話をマジメに長々と説明しなくてもねえ…べつに知りたくないって(笑)」
リエ「学校の先生みたいですよね。夏目がお蔭様でここまで成長しましたっていう報告があって。通信簿か(笑)」
キコ「この人、優等生タイプ?」
リエ「そういえば、話にも悪人が出てこないですしね」
キコ「邪悪な妖怪は出てくるけど、実際はそれほどたいしたことない」


リエ「妖怪の表情が怖くてゾッとするんですよ。それに、お面をかぶってるのが妖怪モノとしては新しいと思う」
キコ「うん」
リエ「お面に文字が書かれていたり。見えないから返って怖い」
キコ「能面みたい。そういう演出はうまいよね」
リエ「たまにニューギニアの仮面のようなデザインが…どっかで見たことがあるなあって思うのがまた怖さを誘う。この作者、世界中の仮面に詳しいのかな」
キコ「仮面が好きなのかもしれないね」


リエ「私、1巻目を読んだ時に気持悪くなっちゃいました」
キコ「なんで?」
リエ「この作者、自分も実は視える人なんじゃあ…そうでないと、こんなの描けないと思いません?」
キコ「かもしれない。だったら、そういう話が知りたいよね。苦労話や感謝の気持じゃなくて(笑)」
リエ「そうそう」
キコ「こういう話を作ろうと思ったいきさつとか」
リエ「想像だけで急にこんなの描けないですよ。自分か周りに妖怪体験がないと」
キコ「そういえば、あの話、怖かった。影がだんだん家に近づいてきて、家の前に印をつける話」
リエ「あれ、怖いっ!!」
キコ「印をつけるというその行為がリアル」
リエ「ああいう妖怪の設定が、オリジナルじゃないですか?水木しげると違って、既存の妖怪が全く登場しない」
キコ「一体どこからインスピレーションを得てるのかなあ」
リエ「妖怪というより都市伝説に近いですよね」
キコ「うん。だから古臭くない」


リエ「真っ黒でひょろっとしていて、口だけカパッと開く姿が怖かったです!!」
キコ「あのなで肩が特にね(笑)」
リエ「でも夏目と一度話をしたら、案外普通の妖怪だったりして脱力」
キコ「普通は通じないんじゃないの?人間と妖怪は(笑)」
リエ「レイコが有名だから、すぐに夏目も有名人ですよねえ。それで妖怪もすぐに気を許して(笑)」
キコ「場所はどこだろ?都会っぽいけど地方のような…古い土地だろうね。神社もあるし。
リエ「ところで、レイコの子供はどんな人だったの?子供は夏目のお父さん?お母さん?」
キコ「さあ…?」
リエ「夏目の親には、そういう能力はなかったのかなあ。隔世遺伝ということ?」
キコ「夏目の親は夏目のことをどう思ってたのか、そこらへんについては、あまり触れられていないと思う」
リエ「そもそもレイコはあんなに人間嫌いだったのに、なぜ子供を産んだのか不思議」
キコ「そんなこと、考えもしなかった」
リエ「妖怪との子供だったりして…まさか、相手はニャンコ先生!?(笑)」
キコ「ということは、ニャンコ先生が夏目のお父さん?(笑)」
リエ「そう!」
キコ「だから父親のように見守って、助けてあげてるわけ?」
リエ「そうですよ。きっと!」
キコ「それ、すごいオチだよ(笑)」
リエ「そうあってほしい(笑)」
キコ「もしそうだったら、これ、別の話にならない?ロマンチックな悲恋モノみたいな」
リエ「そういえばニャンコ先生、最初に夏目に会った時にレイコと間違えてた。それで、レイコが死んだと知って驚いて遠い目をしていた」
キコ「いや、それは…(笑)」
リエ「自分が封印されているうちにレイコが死んでいて、だから夏目を守らなきゃという使命感が。だってニャンコ先生がいなかったら、夏目は何回も死んでますよ」
キコ「夏目、全然強くならないからね」


キコ「考えてみれば、夏目にはよき理解者がいるじゃん。2人も」
リエ「それだけいれば十分ですよね。3人で勉強会でもすればいいのに(笑)」
キコ「なのに、あんまりそういう話をお互いにしない」
リエ「あまりにも遠慮する性格なんですよ。夏目が」
キコ「自分に自信がなくて、自分はここにいていいんだろうかという子だから」
リエ「その夏目が少しずつ心を開いていく…それがテーマですからね」
キコ「先の長い話だ」
リエ「それに妖怪も人間も寂しいですよね。みんな寂しがり屋だなあ」
キコ「それが巻を追うごとに加速してきます」
リエ「ええ?これ以上?(笑)」
キコ「なんかもう、最初から寂しいの」
リエ「(笑)」
キコ「前は途中から事情がわかってきて、ああ、この妖怪も寂しいんだなあという展開だったでしょ?それがもう登場シーンからワケありな感じで…しょっぱなから切ないのよ」
リエ「妖怪は人間が好きなんですかねえ。それがよくわからないんですけど」
キコ「寂しい人に寂しい妖怪が寄ってくるのでは?」
リエ「ああ、そうか」
キコ「寂しさが妖怪と夏目を引き寄せている構図」
リエ「レイコは女だから、夏目とはちょっと違いますよね」
キコ「あの強がっている様子が、とても女の子らしいなと思う」
リエ「うん」
キコ「それに最近は、友人帳の話はどっかにいってます。最初の頃は妖怪と取り合いしてたのに、妖怪とのエピソードだけで終わったりして」
リエ「夏目はちゃんと持ってるんですか?友人帳を」
キコ「たまに思い出したように友人帳が出てくるから、持ち歩いてはいるみたい」


キコ「それにしても、どこまで連載を続けられるのかなあ。大変じゃない?ネタ的に」
リエ「基本的に読みきりですよね」
キコ「いつも同じ始まり方で。アニメになっても違和感なかったんだけど、アニメにしやすいよね。これ。アニメなら髪の色で人間の区別つくのがいい(笑)」
リエ「マンガの方は、夏目の印象が薄いですよね」
キコ「妖怪の方がインパクトがあって、夏目は影みたい。主人公にしては無表情だし」
リエ「女の子みたい」
キコ「夏目、本当に生きてるんだろうか?」
リエ「ひどい(笑)」
キコ「実は夏目は幽霊で、視えてるのは周りだったりして(笑)」
リエ「なんちゅーオチなんですか(笑)」


キコ「全体的にフワフワした印象なのは、この線のせい。線がシュッシュと途切れてる」
リエ「強弱をつけるんじゃなくて、恐る恐る描いてる感じ」
キコ「服と顔も全部一緒なの。描き方が」
リエ「夏目が白っぽい」
キコ「夏目、柄物を着ないよねえ。制服中心で、あとはモノクロしか着てないような…」
リエ「それに着物がヘタ」
キコ「どうでもいいんじゃない?人間は。作者は人間嫌いだったりして」
リエ「ははは」
キコ「あんまり人間のこと、知らなさそう…空想好きな子供時代だった気がする」
リエ「それで妖怪が身近な存在に(笑)」


リエ「ニャンコ先生が人気なんですよね」
キコ「こういう話には、こういうキャラが必要なんだよ」
リエ「ネコでかわいくないというのは新鮮」
キコ「で、突然カッコよくなるところがまた。そのギャップが毎回楽しみで(笑)」
リエ「目が怖いですけどね」
キコ「でも、変身前後であまりにもキャラクターが違いすぎない?それにニャンコ先生の真の姿、実は全体像を見たことがないんだけど」
リエ「そう。私のイメージでは『もののけ姫』のあのオオカミみたい」
キコ「私は『犬夜叉』みたいなの」
リエ「犬?狐?オオカミ?尻尾は割れてたっけ?」
キコ「そこらへん、うまくごまかしてる(笑)」
リエ「私は、ニャンコ先生が寝てる時、ぷーぷー言ってるのが好き。ぷーぷーってなに(笑)」
キコ「ああ、太ってるから声帯が圧迫されてイビキが」
リエ「そんなリアルな話、いらないです(笑)」


キコ「結局どこに行くのかな。この話」
リエ「ゴールが見えないですよね。友人帳を全部返して終わりになるわけでもなさそうで」
キコ「ずっとこのまま行くとか?」
リエ「レイコがどんな死に方をしたとか、そこらへんは解明しなくていいの?」
キコ「そこらへんはもう、突っ込んじゃいけないのよ」
リエ「そんな(笑)」
キコ「夏目が周りも自分も受け入れられるようになったら、そこでハッピーエンドなのかなあ」
リエ「じゃあ、結局これは夏目の成長物語?」
キコ「いつも同じパターンだよねえ。始まり方も展開も」
リエ「夏目がいつも妖怪に驚いて」
キコ「あの人たちに迷惑かけたくない、知られたくないって闘う」
リエ「たまに新キャラが出てきて、活性化されてますが」
キコ「でもそのキャラも、案外フツーで…もうちょっと屈折していてもいいのに」
リエ「極悪人とか」
キコ「そんなキャラが登場したら、浮く?」
リエ「浮くかも…みんな繊細だから。ったく、妖怪も人間も繊細すぎるんだから」
キコ「食ってやる!と言いつつ、食べないしね」
リエ「そんなこと言われても、あんまり怖くないのは、実際に人間が食われてるシーンがないからですよ」
キコ「ほんとだ。もしそんなシーンがあっても、一瞬で痛みがなさそう」


キコ「最近は恋愛モノより、こういう妖怪と人間が…とかいう話の方が面白くて」
リエ「純粋ですよね。人間同士の話は、なんかもうセチがらくていけません」
キコ「そのせいか、妖怪が出てこないところは、つい読み飛ばしてしまう」
リエ「ええ?そんなんじゃ登場人物の心のヒダが…」
キコ「どうでもいいの。そんなの」
リエ「さっき、これは夏目の成長物語だっていう話をしたばかりじゃないですか!」
キコ「それはそれでテーマとして。でもこの話、夢があるよね。最後には必ず浄化される」
リエ「気持悪いままで終わらないから、救いがありますよね」
キコ「そのカタルシスがクセになる」
リエ「でも、ニャンコ先生に頼りすぎてない?」
キコ「印籠なんだよ。ニャンコ先生は」
リエ「いろいろ苦労しても、最後はこれが目に入らぬか!っていう(笑)」
キコ「ええいもう、ガブ!って。それで解決(笑)」
リエ「さすが夏目のおじいちゃん」
キコ「孫のピンチを見ちゃおれん」
リエ「ニャンコ先生=おじいちゃん説が正解なら面白いのに」


キコ「なんにしても、切ない話ばかりだね」
リエ「人間も妖怪も」
キコ「その切なさが古風。そこが現代の若者にもウケるとか?」
リエ「そういえば、誰も携帯持ってないですね」
キコ「本当にこれ、現代?昭和30年代では?」
リエ「そういえば、テレビも出てこないし」
キコ「ここまで人を想ったり、忘れなかったり。そういうところが古風な感じに思えるのかもね」
リエ「これだけ寂しさや切なさの話ばっかりなのは、確かに珍しいかも」
キコ「それがまた、読んでいて嫌じゃないんだよね」
リエ「幸の薄そうな夏目が、最後はちょっと幸せになってよかったねっていう」
キコ「誰にでも夏目みたいなところ、あるんだと思うよ。こういう寂しさがわかるから、まるで自分のことのようにスッキリ」
リエ「友人帳といっても、友人じゃないですしね」
キコ「レイコが勝ち負かした妖怪を友人って呼んでる」
リエ「皮肉な(笑)」
キコ「でも、ある意味では友人?そう考えると、タイトルにも哀しみがにじみ出てる」




 

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2011/06/06 (Mon)
地球へ… 選者:リエ
選者よりひとこと「後味の悪さは天下一品」
 
 
キコ「久々にこれ読んで、こんなにドロドロしていたっけ?とびっくりしたよ」
リエ「とにかくじとってしてる。話もだけど、絵柄も汗や涙がいっぱい」
キコ「こんなに後味悪かったっけ(笑)」
リエ「当時、こういうマンガは革新的だったんですか?」
キコ「革新的だった。まず「地球」と書いて「テラ」って読むのかと(笑)」
リエ「絵はかわいいのに、話は悲惨な結末になるというギャップが」
キコ「どうしても比べてしまうんだけど、似たような題材でも萩尾望都の場合は最後に希望が見えるのに、竹宮恵子にはそれがない」
リエ「ないですね」
キコ「だってこれ、主人公が死ぬんだよ!当時、そんなのありえなかった」
リエ「しかも、ほとんどの登場人物が死んでます」
キコ「死に方も無残。それまでも、裏切りとか弱さとか、そういうの人間の暗部がこれでもかと」
リエ「主人公も、死んだからといって、何かを成し遂げたというわけでもないですからねえ」
キコ「でしょ?空しいのよ。犬死にしたみたいで」
リエ「そう。キャラにこんだけ愛着を持たせといて最後がこれでは、誰も浮ばれませんよ」
キコ「この作者、こういう結末が多い気がする。で、みんな死んだけどまためぐりあってとか、生まれかわってとか。そんなんでお茶を濁しても、私はだまされんぞ!」
リエ「無常観なんですかねえ」
キコ「ああ、結局人間は無力だという…そんなマンガ読みたいか?とにかく、この主人公の死に方はないよね。最初に読んだ時はショックだったわ~」
リエ「重要人物ほどあっけなく死ぬのがね。それに、なんか情けなくないですか?主人公のこの死に方」
キコ「こんな姿、見たくないよ」


リエ「この話、一体なんだったの?と思っちゃいますよね。読んだ時中学生だったけど、1週間ぐらい考えた」
キコ「さみしい話よね」
リエ「だから、諸行無常なんですよ」
キコ「絵がきれいだから、ついだまされるけど…そういえば「ファラオの墓」も空しかったな~どうすればよかったのかと後で思い悩む」
リエ「あれも諸行無常(笑)」
キコ「この作者、他の作品でも似たような結末なのがあるけど、滅びるのが好き?」
リエ「人類は滅びろと」
キコ「この話も、無理に地球に帰らなくてもいいやん」
リエ「ぶっちゃけ、ほんとにそう」
キコ「なんでこんなに犠牲を払って、地球へ?ちゃんと住み分けしてたのに、地球人にケンカ売ってまで(笑)」
リエ「私にもわかりません。故郷だから?」
キコ「冒頭から唐突に「地球へ帰りたい」って言われても、よく納得できないんだよ」
リエ「ソルジャーブルー、過激派ですよね」
キコ「追い出されたからとり戻すという話でもないし…よくわからん。ただのリベンジ?」
リエ「トニーだけが現実的で、何気に正しいことを言ってませんか?トォニィ、好き」
キコ「さすが新世代エスパー」
 

リエ「これはエスパー(異端)である哀しさを描いてるわけだけど、そういう話を描かざるをえない時代だったのかなという気はする」
キコ「高度成長期の、あの日本がどんどんダメになっていくような危機感が反映されてるのでは?手塚治虫の世界観」
リエ「ああ、そうか!手塚治虫に似てるんだ」
キコ「救いがあるんだかないんだかの、あの独特の後味の悪さがね。火の鳥のあの読後感に近い」
リエ「当時の科学や機械に対する不信感が反映されているのかも。地球が破壊されていくという考えに取り付かれてた時代」
キコ「人間のせいで地球が滅びようとしているから、その警鐘を鳴らそうと。そういう時代だった。今はそんなことはすでに前提になってるけど、当時はそんなこと言う人少なかったから」
リエ「エコ的なテクノロジーがあるんだという発想が、まだなかったんですね」
キコ「このままだと滅びるという深刻な悲観主義に支配されていて、人間ってイヤだな~罪深いな~って思わされる話がいっぱい(笑)」
リエ「そう思うと、ドラえもんは超ポジティブ未来ですよね(笑)」
キコ「でも、そういう時期があったからこそ、今の段階を迎えることができたわけで」
リエ「うん」
キコ「それに、国家が何かを隠してるとか、管理されてるという怖さがいつもあった」
リエ「そうか。冷戦時代だったですもんね」
キコ「しかし今や、そういう世界観は時代遅れ」
リエ「人間vs機械という発想が当時の時代背景としてあって、作者オリジナルじゃない。だから、この作者も今はもう描くことができないんですかね」
キコ「かもね。だから、教授になっちゃった(笑)」


キコ「でもこれ、私とリエを結びつけた因縁(?)のあるマンガなんだよねえ~」
リエ「はい。確か職場で、このアニメのサントラの話をしたのがきっかけで」
キコ「その発言を小耳にはさんだ瞬間、私の頭の中でアニメの主題歌が鳴ってました」
リエ「はははは」
キコ「このマンガの話題が出なかったら、リエに興味持たなかったかも(笑)」
リエ「そう思うと、感謝しないといけないですよねえ。むちゃくちゃ言いましたけど(笑)」


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2011/06/05 (Sun)
ショート寸前! 選者:リエ
選者よりひとこと「関西弁の可愛い女の子がよい」
 
 
キコ「こういうマンガ、あまりない?」
リエ「ヤンキーの生態がよくわかります。サバサバしてるヤンキー。デキの悪い高校が舞台で、だれも当然のように大学受験を考えていないというのがむしろ清々しい」
キコ「自分のこと、よくわかってるよね」
リエ「目指しているのが保育士、カフェ店員、美容師とか。手に職をつけるのが当然という世界。そして、みんな明るい」
キコ「うらやましいくらい振り切れてるよね。将来どうしようとか受験勉強がとか、生き方でグチャグチャ悩んでない。ましてや自分探しなんぞ(笑)」
リエ「シンプルなんですよ」
キコ「いい意味で動物的。頭がいいと、よけいなことを考えすぎちゃうから」
リエ「こういうヤンキーの日常を描いたマンガ、新鮮だった」
キコ「抗争を描くわけじゃなくてね」
 リエ「主人公が金髪で真赤なマニキュアしてるけど、ギャルじゃないんですよ」
キコ「昔のスケバンみたい。硬派な不良。恋愛も純情だし」
リエ「そうそう。それに、ナチュラル関西弁でしょ。バリバリの地元弁。全国的に通じるのかな?」
キコ「大丈夫だよ。「天然コケッコー」もすごい方言だったけど、なんとなくわかる」
リエ「先輩のこと、にいさんって呼んでるのが(笑)」
キコ「大阪弁の勉強になります(笑)」
リエ「大阪弁の勢いが内容とあってる。でも、関西弁のヤンキーはガサツなのに、なんでこんなにみんなかわいいんやろ。絵が繊細だから?ちゃんと小さい兄弟の面倒もみてるし、いい子やん(笑)」
キコ「ヤンキーは早く大人になるから」
リエ「うん」
キコ「それに、やっぱケンカが強いのはいいよな~って読んでいて思ったよ。強いと、優しくなれる」
リエ「そうそう」
キコ「でも、犬のケンカみたいだよね。単なる力試しみたいな」
リエ「高校生だから、力加減がわかってるし」
キコ「ケンカがコミュニケーション?」
リエ「特に番長がいるわけでもない(笑)」
キコ「群れていないよね」
リエ「女もみんなカラッとしてる。女同士のジメジメした関係がないなんて」
キコ「見た目は今どきの子なのに、中身は古風なスケバン。スケバン魂がまだ生きている。だから懐かしい。まるで「花のあすか組!」のような」
リエ「みんなケジメにこだわるんですよね。上下関係も厳しいし」
キコ「そういうのって実は大事だなって、これ読んで思った。礼節とか武士的なやせ我慢っていうの?」
リエ「そうそう」
キコ「弱い者いじめさえしなければ、そういうのって日本人の美徳という気がする。ヤンキーに見習わないと(笑)」
 

リエ「この作者、絵のセンスはありますよね~」
キコ「最近の絵柄なのに…鼻がない(笑)」
リエ「この人がフツーの連載描いてるけど、全然面白くないんですよ」
キコ「だってこのマンガ、実は内容はたいしたことないやん。大阪弁というのが面白いわけで」
リエ「等身大のヤンキー高校生の生活を描いてるだけ」
キコ「でも実際には、こんなにさばけたカップルいないと思うけどね」
リエ「え?そうなんですか?私は女子高だったから、わからないけど…男の方に恋心の自覚があって、その気持ちが女の方に全然伝わっていないのがかわいそう」
キコ「それはでも、ありがちじゃない?」
リエ「それはでも、少女マンガだったら、一般的には逆では?」
キコ「読者はどっちに感情移入するのかな」
リエ「どっちもですよ。きっと」
キコ「現実には、これだけ察しの悪い女の子はいないと思うよ。男の子にはありがちですが」
リエ「周りはみんな気づいているのに」
キコ「確かにショート寸前!だ(笑)。タイトルの意味が読んでいてよくわかる」

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2011/05/29 (Sun)
天は赤い河のほとり 選者:リエ
選者よりひとこと「フツーの子も一瞬歴史にハマらせる大河少女マンガ!!」
 
 
リエ「最初は王家の紋章のパクリかと思いきや、最終的には王家の紋章を超えたという」
キコ「キャロルみたいに、いちいち戻らないもんね。現代に」
リエ「一応戻ろうとはするんですけどね」
キコ「でも、どうしてこの子が選ばれたの?」
リエ「王家の紋章もそうだけど、たまたまじゃないですか?それも運命なんでしょうけど、あえてそこは追求しない」
キコ「で、たまたまその子にいろんな才能があったという」
リエ「そこが王家の紋章と似てる(笑)。たまたまいろんなこと知っていて、女神扱い」
キコ「ちょっとムカつく(笑)」
リエ「ヒロインは、運動神経がよくて人種偏見がなくて、みんなに好かれるんですよ」
キコ「身体能力って大事だよね~この時代。この子、明らかに活発な女の子だよね」
リエ「最近こんな子いないと思う。化粧したら案外美人だったとか(笑)」
キコ「だってまだ子どもでしょ?中学生?化粧したシーンでビックリするくらいキレイってことにしとかないと、話が盛り上がらないのはわかるけど」
リエ「日本人には、見た目は幼いけど化粧したら…っていうのがウケるんですよ。ほら、祭りで子どもが化粧するじゃないですか。あれですよ」


キコ「これ、はまるよね。高校生ぐらいなら。大河ドラマだし」
リエ「皇太后が悪役だけど、悪役にも悪役なりに事情があるという。そういうの、日本の特徴じゃない?」
キコ「善悪がアメリカみたいにはっきりしてない」
リエ「アメコミみたいに単純じゃない」
キコ「ヒロインが、どんどんみんなを味方にしていくよね。なんなの、このオヤジ転がしは」
リエ「王子が本当にメロメロ」
キコ「なぜそこまでメロメロ?こんな子に?」
リエ「顔よりも人柄に惹かれてるってとこが、いいんですよ!現実にはあまりないと思う。こんなメロメロ状態(笑)。だからこそ、読んでいて気分がいい。そこが少女漫画」
キコ「美人だからメロメロなんじゃなくて、才能と人柄にメロメロなんだよね」
リエ「最初からデキる美人だったら、読者は感情移入できないです。しかも、絵柄は古風なのに、エロ度が現代風(笑)」


リエ「重要キャラが、結構フツーに死にます」
キコ「だんだんセリフが多くなってきて、歴史の本みたい」
リエ「この時代のトルコが舞台なんて、それまでマイナーだったので新鮮。皇后がバビロニア出身とかね」
キコ「このヒロイン、○○だよっていうセリフが多くない?それが気になる」
リエ「確かに、○○だわとは言わないですね。男の子みたい。そうせざるをえない?」
キコ「『花咲ける青少年』の花鹿を思い出す」
リエ「同じショートカットだし」
キコ「あんまり女らしいと、きっと女の読者に嫌われるのを恐れて」
リエ「週刊誌なみに、毎回気になるところで終るのがすごい」
キコ「うん。面白かったよ」
リエ「一気に読むのは疲れるけど」
キコ「どうせハッピーエンドなのはわかってるから、それまでにどんな波乱万丈があるのかを楽しんでいる感じ」
リエ「滅びるんじゃなくて、これから栄えていく話ですからね。そうそう。ヒロインが水戸黄門みたいです。何かあると、この方をどなたと心得る!って(笑)。そこらへんが爽快」
キコ「主人公の周りでは、裏切りやドロドロした人間関係がないよね。最後みんな死ぬという悲劇もありえない」」
リエ「だから、安心して読んでいられる」
キコ「ヒロインがサバサバしていて、側近との信頼感もあるし」
リエ「男に依存する女が出てこないのもいい。みんな自立してるんです」
キコ「さすが、ツボを押えてる(笑)」

拍手[6回]

2011/05/29 (Sun)
天上の愛 地上の恋 選者:リエ
選者よりひとこと「心に残りすぎて…誰かと共有したかった」
 
 
リエ「この作品、胸が詰まって語れません…」
キコ「でも、ある意味ではハッピーエンドだといえない?」
リエ「大学時代に立ち読みでめくるたびに、いつもアルフレートが虐待されてるシーンばっかりで、一体どんなSMマンガなのかと思って…それで買いました(笑)」
キコ「すごい話ですよ!っていわれて渡された時、てっきりホモの話かと」
リエ「ホモの話には間違いないです」
キコ「この表紙見てよ。2人しかいない(笑)。で、どんどん2人が成長していくんだけど、最初は対等なのに、いつのまにか2人の位置が交代したりして」
リエ「ほんとだ(笑)。これ、本屋で全巻平積みされたら、すごいですよ!」


キコ「滅んでいく側を丁寧に描いているとこが、珍しいよね」
リエ「エリザベートは有名だけど。このマンガのお陰で、オーストリア詣でをしてしまうファンが続出ですよ」
キコ「高校生の時に出会っていたらなあ。でも実際にはこういうマンガ、すでにあったと思う。不滅だな~(しみじみ)」
リエ「実はこれ、途中で同人誌に連載するようになって…そういうのを経てから、また復活したといういわくつき…内容が内容だけに、自主規制したんですかねえ。なので、ちょっと問題作」
キコ「そこまで?」
リエ「実在人物と非実在人物が入り乱れてるとこが、物議をかもしだす」
キコ「最初、タイトルの意味がわからなくて。でも読み終わってから、ああそういう意味だったのかとわかる。そういう作品、好き」
リエ「うん」
キコ「でも、タイトルは連載前からつけてるわけでしょう。それが全体としてピッタリはまるなんて、すごいよな~」
リエ「天上の愛と地上の恋。それぞれの組合せを言い表していて」
キコ「地上では、愛じゃなくて恋なんだよね」
リエ「そうそう。地上では感情がすれ違い。愛じゃない」


リエ「読み終わってから、これでよかったのかと考え込んでしまうんです」
キコ「う~ん」
リエ「でも結局、これしかなかったのかも」
キコ「一応やるだけのことはやったという感じ」
リエ「ラストで消息を絶ったというのは一体?やっぱり死んだってこと?」
キコ「どこかに流れ着いてるかもしれないけどね」


キコ「人物の描きわけができてないと思う。アップだと誰かわかんない」
リエ「最後らへん、みんな目が細くなってきてます」
キコ「セリフだけで読ませてるよね」
リエ「喜怒哀楽があんまりなくて」
キコ「表情もない。口がただの線だったり(笑)。紙人形が動いてるみたい。なのに、ストーリーとセリフだけでここまで読ませるなんて、やっぱり少女漫画!」
リエ「その点、少年漫画は違う」
キコ「何かしら全身で動いてるもんねえ。汗流したり、血を流したり(笑)。この作品みたいな策略につぐ策略話は、愛がなくちゃ読めません」
リエ「私、ごちゃごちゃした策略は、つい読み飛ばしてしまった」
キコ「私も(笑)。でも、具体的な策略がどうのこうのより、その人がそれでどう思っているのかが大事なわけで」
リエ「歴史的背景よりも、この2人がお互いをどう思っているのかが大事」
キコ「にしても、2人ともそんなに傷つかなくてもねえ、全く(笑)」


リエ「余白が効果的ですよね。それで怖さを感じるシーンがある」
キコ「全部見せないの。そこがうまい」
リエ「不安をあおるというか…それに、絵柄にツヤがないでしょ」
キコ「紙人形みたい。平面的」
リエ「なんか、カサッとしてますよね」
キコ「キャラによって顔の輪郭を変えてほしい。髪型と目だけで、人物を描き分けようとする傾向がある。少女漫画は」
リエ「でも、これ古い絵柄なんだけど、読んでいくうちに気にならなくなってきません?」
キコ「うん。やっぱマンガはストーリーに尽きるってことかな。3人くらい人物が描ければ、後はどうにでもなるという(笑)。しかし、キャラの見分けもつきにくいけど、セリフも、誰が言ってるのかわからないシーンが多くない?そういうの、不親切かなって思うんだけど」
リエ「う~ん。そうですねえ。それに、女性があんまり美人に見えない」
キコ「男も女も一緒」
リエ「男が耽美系だから」
キコ「高校生が読んだら、ハマるよ」
リエ「悲惨な話だし」
キコ「同性愛だし」
リエ「神にも背いてるし」
キコ「政治的にも…いろんなことに背きすぎ」
リエ「因縁もありますからねえ。背負ってるものが多すぎですよ」


リエ「少女漫画にしては、ちょっと華やかさがないかな~バックに花も出てこない(笑)」
キコ「だから顔が固い!体も直線的で、いつも立ってる感じ。体温低い」
リエ「絵が特に巧いってわけでもないから…でも、それがこの作品には合ってる」
キコ「だから、生々しくないんだよね。話はこんなに生々しいのに」
リエ「残酷物語なのに…でもああ、なんだか私たち、絵柄の話ばっかりしてません?絵柄はいいんですよ!もっと語るべき大切なことがあるはず(笑)」
キコ「これ、普通の人には、あんまり読めないかもね…」
リエ「男性には無理ですよ。どこに感情移入すればよいやら」
キコ「禁断の嵐。歴史に翻弄される同士愛の2人。だから王道」
リエ「オーストリア、大変ですよ」
キコ「特にこの人たちの家が(笑)」
リエ「滅びの美学というところが、日本人好み」
キコ「滅ぶべくして滅ぶ。それを何とかしようとするんだけど、できない」
リエ「で、どうせ滅びるんなら美しく滅びましょうという。最後らへんは美人ばっかり生まれたりして」
キコ「ロウソクが最後に燃え上がるみたいな」
リエ「美化されすぎですかね」
キコ「されすぎだと思うけど、それが残された者の願望だから」

拍手[3回]

プロフィール
HN:
リエ&キコ
性別:
女性
自己紹介:
リエ
1985年生まれ。最初に読んだのは「アタックNo.1」。小学校低学年で「りぼん」を読み始めるが、「セーラームーン」につられて「なかよし」に。CLAMP作品や「ふしぎ遊戯」などのファンタジー系にハマる。
母の影響で萩尾望都、竹宮恵子、里中満智子、池田理代子、美内すずえ、有吉京子など上の世代の少女マンガを読む。弟の影響でジャンプ・サンデー系少年マンガ(鳥山明、冨樫義博など)を読む。
高校で「花とゆめ」から新書館系に移行し、マニアックな方面に行き着いたところでオタク卒業(?)。最近読んでいるのは、「聖☆おにいさん」「ギャクマンガ日和」「もやしもん」「夏目友人帳」「まいあ」など。

キコ
1965年生まれ。幼少期は「りぼん」で育ち、初めて泣いたマンガは犬が死ぬマンガ(立ち読み)。小学校の時、梅図かずおの「洗礼」に衝撃を受け、文字通り梅図かずおの洗礼を受ける。
中2の時に親友から萩尾望都と竹宮恵子を紹介され、マンガにとりつかれる。しばしのブランクを経て、現在マンガ病が再熱。友人の影響で、ギャグマンガや少年マンガなどあらたなるジャンルにも食指を伸ばす。
好きな漫画家は萩尾望都、松本大洋、山岸涼子、岡野玲子、くらもちふさこ。なぜか大島弓子を読んでおらず、そのため現在爆読中。最近のオススメは曽田正人「昴」。


ライター「夏りょうこ」として著作「シネマチックな夜」(文芸社)あり。
夏りょうこ総合サイト



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